ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド 公務旅日記1~リバーサイド馬宿~

ゼルダ「リンク、今日はここで宿を取りましょう」
リンク「そうですね、もう遅くなってきましたし……ちょっと話してきます」
ゼルダ「よろしくお願いします」
リンク「はい」
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ゼルダ「…………」
ゼルダ「(ここは……ここも、あれから大きく変化があったわけではなさそうですね……)」
ゼルダ「(厄災ガノンの討伐からもう一ヶ月……ガノンの脅威が去り、魔物たちの姿も少しずつ減ってきてはいるけど、どの町も、復興を遂げるにはまだ程遠い……)」
リンク「姫様、お待たせしました。ベッド問題ないそうです。普段は客足が少ないからと、喜んでくださいましたよ。まぁ今回の客が姫様だと聞いてとても驚いてましたけど」
ゼルダ「複雑ですね……でも、どこへ行っても驚かれ畏まられるよりは、どこでも気軽に挨拶ができる関係でいたいものです」
リンク「威厳も時には大切ですよ」
ゼルダ「わかっています。ですが……まぁ、この話はよしましょう。さて、荷物を置いてきましょうか」
リンク「はい」
今回はどんな冒険が二人を待っているのでしょうか。

*SSは原作設定をもとに書いていますが、独自設定や二次設定を追加して書いております。
二次創作的な要素が苦手な方は読まれない方がいいと思います。
リバーサイド馬宿にて
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ゼルダ「ふう……やっと落ち着けました」
リンク「ずっと馬に乗りっぱなしでしたしね。湿原の馬宿辺りで休みつつ、でもよかったかもしれません」
ゼルダ「何せ世界を見回り始めてまだ日が浅いです。できるだけ遠いところから見て回りたいですから」
リンク「それもわかりますけど。ガノンの脅威はなくなったとはいえ、魔物はまだあちこちにいます。充分気をつけてもらわないと」
ゼルダ「もう、リンクは相変わらず過保護ですね!」
リンク「それくらいが丁度いいんです」
ゼルダ「はぁ。最初からこの調子では先が思いやられます……それにしても、ここは人が少なくて落ち着くやら寂しいやら、ですね」
リンク「ここは他の馬宿に比べても、だいぶ人の少ない馬宿ですね。周囲の景色も相俟って、穏やかと呼ぶに相応しい場所です」
ゼルダ「裏手にヤギとニワトリがいました」
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リンク「乳製品と卵が盛んみたいですよ。また、その名の通り川沿いにある馬宿ですし、川の水を利用して色々やっているようです。夏場は冷たい水に野菜などをつけてるそうですよ」
ゼルダ「それってもしかして、キュウリの丸齧りです?」
リンク「あーあれもいいですね。夏の暑い日に、川で冷えたキュウリをシャリッと……」
ゼルダ「是非試してみたいものです」
リンク「う、うーん……でもまぁ、姫様がいいなら、いいかぁ」
ゼルダ「あまり型に捉われたくありません」
リンク「それはわかりますけど……川べりでキュウリを丸齧りする姫……うーん」
ゼルダ「……それに、心配なのです」
リンク「王国の再建ですか?」
ゼルダ「ええ……ハイラル王国が強く栄えてきた世界とはいえ、ガノンの支配が及ぼうとしていたここ百年の間は、王国は不在でした。しかも、今に至るまで王国は何もできず、何も与える事ができなかったわけです」
ゼルダ「それが今、リンクのおかげでこうしてガノンを遠ざける事ができた。ですが、だからといって再びハイラル王国による統治を、人々は受け入れてくれるでしょうか」
リンク「統治、っていうのは……うーん」
ゼルダ「やはり難しそうですか?」
リンク「……俺が思ってる事、言っていいですか?」
ゼルダ「是非聞かせてください」
リンク「なんていうか、王国とか統治とか……更に言えば、町や村だって同じですけど、そこを治めるのであればそこのリーダーが思うようにやればいいと思うんです」
ゼルダ「といいますと?」
リンク「型に捉われたくないのでしょう? なら、忘れるまではしなくとも、そういうのを気にすることなく、姫様の思うような政治を行えばいいのではないかと」
リンク「姫様は、ハイラルの姫が常に誰しものトップに立つ存在であるべきと思いますか?」
ゼルダ「それは……難しい質問です。一個人としてはあまりそう思わないのですが、力強くはっきりしたリーダーがいれば問題への対処も行いやすいとも思うのです」
リンク「それぞれい良い部分はありますからね。周囲の反応は別にしても」
ゼルダ「人の上に立って指揮を取るだけという事はしません。だからこそこうして自ら世界を歩き、この目でひとつひとつ問題を見て対応を考えたいのです」
リンク「つまり、それでいいって事だと思うんですよね」
ゼルダ「世界を歩く?」
リンク「それと同じということです。高い所から話をするのではなく、同じ目線で話をする……そういうリーダーもアリだと思います」
ゼルダ「だと、いいのですけど……」
リンク「……まぁ、そういうのも今回の長旅で考えてみるのもいいんじゃないですか? 俺は俺で、考えるべき課題を幾つか思い浮かべてますし」
ゼルダ「それは?」
リンク「秘密です」
ゼルダ「あら、意地悪ですね」
リンク「いや別に秘密は冗談ですけど……できれば自分の中で答えを出してからにしたいです」
ゼルダ「そういうものですか」
リンク「そういうものです。さ、折角ですしここの料理をいただきましょう。リバーサイドということもあって、川魚が中々美味しいです」
ゼルダ「それは楽しみですね! ここの調理は誰が?」
リンク「マッケンバーさんですね」
ゼルダ「そ、その方って受付の?」
リンク「馬宿の仕事をほんとんど一人でされてるみたいです」
ゼルダ「そ、それは何だか申し訳ないですね。手伝いに行きましょう」
リンク「楽しみでしとられることですし、大丈夫と思いますよ。何十人もお客が来てたら別ですけど、今日は俺たちだけみたいですし」
ゼルダ「他は皆地元の方?」
リンク「たぶん。出身とかまでは知らないですけど、よくこの近辺にいるので」
ゼルダ「ここは、魚が特産品なのですか?」
リンク「特産品かはわかりませんが、向こうのイカダで川へ出て追い込み漁をするみたいです」
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ゼルダ「浅瀬の方に追い込むわけですね。何の魚が採れるのでしょう?」
リンク「バスがよく採れますね。中でもマックスバスは美味しいと評判です」
ゼルダ「この辺りは……発展具合としてどうでしょう」
リンク「以前は風見の草原を取り囲むようにして町並みが広がっていましたよね。草笛の丘からよくそれを眺めてましたよ」
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ゼルダ「あそこからの眺めも中々のものですね。他には……宿場町も再建しないとですね」
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リンク「時の神殿の再建が中々進まないでしょうから、その辺りどうなんです?」
ゼルダ「急ぎたいところではありますが、難しいでしょうね……神殿のある台地の下町という感じもありますし、メーベ方面を先に再建したい所です」
リンク「近くに沼がありますけど、埋めますか?」
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ゼルダ「魔物も多く出現しますよね。どうしましょう……」
リンク「底なし沼に限らず魔物については課題になりそうですね」
ゼルダ「今回の公務が終わるまでに何らか結論を出したい所です」
リンク「モルセ池の方は特に何も?」
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ゼルダ「あちらは自然をそのまま残しましょう。もし何かあるとしても、他の再建を優先します」
リンク「なるほど」
ゼルダ「さて、そろそろ料理が来ますね。とてもいいにおいです」
リンク「近辺調査は明日にして、今日はゆっくり休みましょう」
続く
*本当はもっと沢山各地の事情を交えて会話してましたが、何故か画面が更新されて内容が消えシーサー側も復元してくれなかったので、とても簡素になりました。次からはガッツリ書きます。